はじめは、自分の収入で返済を続けられるつもりで借りたのに、いつの間にか金利の支払いに追われ、金利返済のために他の業者から借り入れる・・・・。
 このような自転車操業に陥ってしまうと、借金整理をしない限り、その状況から抜け出すことは大変難しいことです。
 では、「借金整理」といってもどのようなものが有るのでしょうか。
その1.借金の整理方法

サラ金からお金を借り過ぎて首が回らないところまでいってしまった場合の解決方法には、大きく分けて自己破産と、債務整理という2つの方法があります。また、平成13年4月から、給与所得者等再生という制度ができました。そして、注意しなければならないものに「整理屋」があります。

1  自己破産
 自己破産は、財産よりも借金のほうが多い場合、借金を返済するのは止めていったん破産宣告を受け、財産と借金を整理する方法です。
  この自己破産も2つの種類に分かれていて、

【管財事件】 
財産(主に家や土地などの不動産)がある人の場合は、裁判所が選んだ管財人という役割の弁護士が、家や土地を破産者に代わって売却し、債権者(お金を貸した人)に配ります。

【同時廃止事件】

 財産のない人(アパート住まいなどで、生活用の電機製品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)などしかないとき)は、申立時の書類審査だけで破産宣告がされ、特に財産を売る必要もありません。つまり普段の生活そのままで書類上破産宣告がされ、宣告されたと同時に破産事件は終了します(したがって同時廃止というのです)。裁判所にも1,2回呼び出される程度で終わるのが普通です。
 また、家や土地があっても、オーバーローンといって家や土地を担保(登記簿に抵当権、根抵当権が記載されていること)に借りている借金の額が、家や土地を相場で売った額を明らかに上回っていれば、そのことを証明する資料(不動産屋さんが作った価格の見込書など)を裁判所に提出すれば同時廃止事件として扱ってくれます。

 一般的に「破産」でイメージされているのはこの管財事件ではないでしょうか。しかし、破産のほとんどをしめる同時廃止事件は、書類だけで審査が進んでいくため、普通の生活は今までとまったく変わりません。ひょうしぬけ拍子抜けするほど簡単な手続きなのです。
破産するには財産が無いほうが楽なのです。
 

2  債務整理
 債務整理は、弁護士に依頼して、ある程度借金の額を減らす交渉をしてもらい、その減った借金を一括や分割で支払う方法です。 
 利息制限法という法律によれば、元金が100万円未満の場合にとれる利息は年18%なのですが、サラ金業者は年40〜20%程度の高い利息をとっています。このため依頼を受けた弁護士は、その差額分を返済したものとみなすよう業者と交渉するのです。

 この方法によれば、借りていた期間が長ければ長いほど借金の減る率が多くなり、おおむね5年以上借りていれば払いすぎていたから返せといえる場合(これを「過払い」といいます)もでてきます。
 10年間くらい借りていた場合には、100万円近い金額を返してもらう例さえあります。

 このようにして借金の額自体を減らした上に、分割払いでそれを返していく場合も、将来の利息はなし、つまり無利子で元金だけを返すよう交渉するのです。

 弁護士費用は20万円以上が基準となっていますが、支払いを減らせる額は100万円以上のことも珍しくないため、弁護士を頼んで損をするということはまずないでしょう。過払いの例では、業者から返還してもらったお金で弁護士費用も賄え、他の業者への支払も済んでしまった例さえあります。

 

3 給与所得者等再生
  平成13年4月1日からできた制度です。これは
@ 100万円
A 2年分の可処分所得
のどちらか多い方を原則3年間(例外的に5年間)で分割弁済するという制度です。
扶養家族がいる方は、Aの可処分所得が少なくなるため、この制度を利用すると有利でしょう。

■自己破産と債務整理、給与所得者等再生のどちらを選ぶか■

 給与所得者等再生や、債務整理ではいかに支払額を減らしたとしても、借金を返済していくことに変わりはないため、もともと生活が苦しくて借りたような場合は、結局返済できないという結果におちいりがちです。破産は大変だと思われがちですが、特に同時廃止の場合にはほとんどデメリットはありません。
 特別な事情がない限りは、無理をせずに自己破産を選択するのがベターでしょう。

要注意!!  整理屋
 よく、スポーツ新聞の広告欄や、ダイレクトメールなどで「借金を一本化します。」「借金でお困りの方、ご相談を!」などの文句を目にします。
 しかし、このようないわゆる「整理屋」「紹介屋」は、当面の資金を得させるためだけにあなたに詐欺まがいな行為をさせたり、親兄弟の土地を無断で担保に入れさせるなど、根本的な解決になるような手段を取りません。
 むしろ、借金の状況を悪化させ、親兄弟までも借金地獄に引き込むことになりかねません。
 ですから、整理屋や、紹介屋の甘い言葉に乗せられないように注意してください。
破産や債務整理を弁護士に依頼した場合のメリット

弁護士がクレサラ問題に関し、自己破産または任意整理を受任した場合、次のような大きなメリットを依頼者に与えることができます。
  1. 弁護士名の受任通知の発送により、サラ金業者等の本人・家族への取り立てが禁止され、私生活の平穏が守れる(金融庁のガイドラインに基づくものであり、確実に守られています)。
  2.  任意整理を行う場合、利息制限法による再計算を行い、超過払利息を元本に組み入れるため、総支払額を大幅に減らすことができる。場合によっては過払い金が返してもらえる場合もある。
  3.  お金のない方についても法律扶助制度(法律扶助協会が無利子で弁護士費用を立て替えてくれる制度です)により弁護士に依頼することが可能

※なお、当事務所では、債務整理(破産・任意整理・個人再生)のご相談の方に限り、初回の法律相談料はいただいておりません。

 

(法律マニュアルは「弁護士も聞きたい法律相談」より引用・一部内容を訂正して掲載しております。)

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