「破産するとどうなるの?」

Q. 破産するとどうなるの?
  破産をすると選挙権が無くなる?戸籍に載る?家族に迷惑がかかる? 

A. 安心してください。選挙権が無くなることも、戸籍や住民票に「破産」とのることもありません。
  選挙権が奪われることもないのです。
  また、「破産者」の家族として迷惑が掛かることもありませんし、
  破産後に得た財産は、破産者が自由に使うことができますので、十分に人生をやり直すことができるのです。
  もう少し、詳しく説明しましょう。

 破産者の受ける法律上の制限

まず、破産宣告を受け、破産者となると法律上は次のような制限を受けることになります。
破産が終わるまで 免責を受けるまで
1.財産管理・処分権の喪失

2.破産に関しての説明義務

3.住居の制限

4.逃亡などを防ぐための引致・監守

5.通信の秘密の制限

6.公法上の制限
(免責を受けるまでは弁護士、公認会計士、税理士等になれなくなります)

7.私法上の制限(
後見人、株式会社の取締役等になれなくなります)

 1から5については、破産手続きが終了すれば、なんらの制限もなくなります。
そして、多くの自己破産者は、破産手続きを開始して処分すべき財産をもっていないのが通常ですから、破産宣告と当時に破産手続きが終了します(こちらのページで説明したとおりこれをを同時廃止といいます)。
従って、同時廃止となった破産者が1から5についての制限を受けることは実質上ないのです。

 また、6、7についても、免責決定が確定(通常免責決定がでれば、一定期間の経過で自動的に確定します)すると復権といって制限がなくなります。 したがって、破産によってうける不利益は、考えられている以上に小さいものなのです。

 なお、破産宣告がなされると官報にのり、また本籍地の市町村役場の破産者名簿に記載されることになります。
 しかし、官報を購読している人はほとんどいませんし、破産者名簿も第三者が勝手にみることはできませんので、周りの人に知られるということもありません。
 また、免責決定により復権すると破産者名簿から抹消されます。

 破産というとその後の生活は真っ暗というイメージを持っている人も多いと思います。
 しかし、全くそのようなことはありません。
 破産制度は、法律が認めてくれた再出発のチャンスなのです。
 どうか、借金に一人で悩まず、弁護士に相談してください。きっと将来が開けるはずです。

 

戸籍や住民票に載ってしまうの?選挙権は? 海外旅行には行けなくなるの?
×  載りません  ×  行けます
 戸籍や住民票に載ってしまうので、人にわかってしまうし、自分だけでなく家族の結婚や就職に差し支えると思っている方が大勢います。しかし、戸籍や住民票には一切記載されません。
 ただし、成年後見人になる際等に必要な市役所で発行する「身分証明書」という書類にだけ記載されます。しかし、この身分証明書に破産者であることが記載されるのも免責の許可がでるまでの短い期間だけのことです。また、選挙権もなくなりません。
 破産をすると旅行にも行けなくなると心配している人がいます。確かに破産者である間は居住地を離れる際には裁判所の許可が必要とされていますが、逆にいうと裁判所の許可さえ得れば問題はありません。
テレビや冷蔵庫も取り上げられるの? 勤務先や近所、家族に知られてしまうの?
×  そのままです △ 知られない場合が多いといえます
 日用品については、そのまま使用できます。特に、同時廃止の場合は、財産の処分を求められることはありません(クレジットで買ったもので、車や貴金属など転売価値のあるものについては、クレジット会社が引き上げることはあります)。管財事件の場合は、管財人があなたの財産を処分することになりますが、最近は、冷蔵庫や洗濯機など一般的な動産類は処分不要とされています。
 勤務先や、近所、親兄弟に知られるのではないかと心配している人が大勢います。しかし、裁判所から勤務先に通知がいったりするわけではないので、勤務先に知られることはありません。ただし、まれに債権者が給料を差押することがあるため、この差押でわかってしまう場合もあります。ただ、一般的に言って破産のみをもって正当な解雇事由とされることはないため、知られたからといって必ず辞めなければならないわけではありません(資格制限のある職種など一部例外はあります)。
サラ金業者などから脅かされるのでは?
× 弁護士に依頼すれば大丈夫です
業者から厳しい取立てにあった経験をお持ちの方も多いと思います。
この上さらに破産などしたら、どんな目に遭うかと心配して破産に踏み切れない人もおられます。
しかし、弁護士が受任通知したあとの取立ては、金融庁のガイドラインにより禁止されているので、取り立てに悩まされることはありません。
現実にも各業者はこの取り決めを守っていますので、心配は無用です。


(法律マニュアルは「弁護士も聞きたい法律相談」より引用・一部内容を訂正して掲載しております。)

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