「今」を考える 所長弁護士青山雅幸のブログより

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人口減少と安倍首相の見解

2016/09/23
人口減少と安倍首相の見解

ニューヨーク訪問中の安倍首相が,2016年9月21日,「日本の人口動態は、逆説的ですが、重荷ではなくボーナスなのです」「日本はこの3年で生産年齢人口が300万人減少したが、名目GDPは成長した」「日本の人口動態にまったく懸念を持っていない」と発言した。http://www.news24.jp/articles/2016/09/22/04341646.html,http://news.livedoor.com/article/detail/12049294/
日本を導くリーダーとして,あるいは政権与党である自民党の最高責任者として,日本の根本的問題について誤った認識を持っていることがはっきりとした。

日本の根本的問題は,人口減少だ。これがGDPを減少に転じさせ,賦課方式である年金の将来的破綻を確実にもさせている。図は私が作成した労働力総人口と名目GDPの推移をグラフ化したものだ。
驚くほど推移が一致している。


安倍政権は,異次元緩和という名の「日銀による国債の無制限買い入れ」により得た財政的自由(打ち出の小槌)によって,野党提唱のものも含め,大盤振る舞いの放漫財政を続けている。しかし,人口減少に対する大胆な政策実行(フランスのような税制まで含めた子育て支援策)はする気がないようだ。

基本的な現状認識が「人口減少がボーナス」と言っているようでは当然だろう。ちなみに,経済学上は,人口増大によって経済成長が拡大することを「人口ボーナス」,逆に人口減少によって経済が縮小することを「人口オーナス」というが,安倍さんは新説を打ち立てたらしい。ノーベル賞でも狙っているのだろうか?

既得権との闘い

2016/08/24

昨日、民進党党本部より一本の電話で民進党静岡県第一区総支部の支部長が別の人間に決まったと連絡を受けた。
民進党が昨年実施した「大補強2015」と銘打った全国公募を通過し、静岡県第一区支部の選考委員会をパスしたにも関わらず、だ。背景には、私が一翼を担う浜岡原発廃炉訴訟に絡んでの、中電・電力労連の横ヤリがあり、もう一つ、代表選を巡ってのくだらない勢力争いもあったようだ。いずれにしても、国民や国を慮っての決定ではないことは明白だ。
候補者すら大事にしない政党が、国民を裏切らない訳がない。
民進党は,「信がない」ことが国民に嫌われている最大の理由であることをいまだ理解していないようだ。
また、綱領の一番最初に書いてある「既得権や癒着の構造と闘う」というところは削除すべきだ。する気もないことは書かない方がいい。
いずれにしろ、この、既得権益にまみれた今の政治を変えていくための第一歩が今日という日になった。牧野元衆議院議員、小長井県議会議員、白鳥静岡市議会議員は今日の記者会見で変わらず共に闘うことを明言された。ここからだ。

暗い時代への転換点

2015/09/16

安保法制が,今日(9月16日),強行採決されそうだ。
市民の不安が久しぶりに顕在化し,デモという形で表現されている。

安保法制は,日本を,より直接的には自衛隊を,戦争や紛争の最中に送り込むものを可能とさせるもので,先後日本の安定と平和を形作ってきたあり方を変革させてしまうものである。
また,権力を統制するために存在する,「憲法」を無視するものであるから,今後,絶対多数の横暴で,憲法がないがしろにされる先例を作ろうとするものだ。

そして,今朝の報道では,経団連は「武器輸出」を推進することを表明した。


戦後,日本,日本国民が,平和と復興という明るい未来を目指して邁進してきた時代が本当に終わりを告げようとしている。私が怖いのは,安保法制だけではない。

マイナンバー制度もそうだ。

昔,大蔵省が,確か宮沢内閣のころ,グリーンカード制という似たようなものを導入しようとしてあっという間に潰されたが,その積年の課題があっさりと成立されてしまった。
現在のクラウド・コンピューティングの発達と考えれば,これは,安保法制以上に国民の脅威となるものだ。
すべての財産が名寄せされ,国家が全てを把握し,例えば,独裁政権ができたとき,国外に脱出しようとしても全財産が押さえられてしまうこともありうる(決して,懸念ではない。現に,国外に移住しようとするとき,有価証券を処分しなくとも,評価益で課税されるという税制がスタートすることが決まっているのだ)。
それだけではない。SUICAと連動し,一人一人の移動履歴が,すべて把握されてしまうこともありうる。

SFは,すぐれた未来予知であることも多いが,アニメ・「サイコパス」では,シビュラ・システムというコンピュータによって,市民の犯罪係数が管理され,実際の犯罪実行の有無を問わずに,拘束・抹消されてしまう。
(トムクルーズ出演の「マイノリティ・レポート」

今までであれば,内閣の存続をかけて行われるような大変な政策が,安保法制の陰に隠れてあっさりと導入されてしまったのだ。


ここに,大変な危機意識を感じる。国民,報道機関に,国家管理に対する危機意識が驚くほど薄れているのだ。

民事裁判に検証を  市民の目を

2015/05/07

刑事裁判に裁判員裁判が取り入れられてから早6年になろうとしている(平成21年5月21日スタート)。

裁判員裁判という制度には賛否があるが,意外と知られていないがとても重要な事実がある。
裁判に市民の目が入ったことにより,「初めに結論ありき」ではなく,「証拠に基づく裁判」が行われるようになったのだ。

一般の方は「何を当たり前のことを」と思われるだろうが,裁判員裁判導入前の刑事裁判はひどかった。自白調書の存在を大前提に,99%有罪が当たり前の裁判であったから,裁判など単なるセレモニー,裁判官が被告を説諭する自己満足の場に過ぎなかった。東京地検の公判部など,裁判終了後に公然と裁判官室に指導を仰ぎに行くのが当たり前だったと聞く。

ところが,裁判員裁判となり,一般市民が裁判の中身を知るようになった途端,これががらりと変わった。自白偏重ではなく,客観的証拠や公判での証言に重きが置かれるようになり,裁判が真実追究の場に変わった。証拠も,検察官の手元に隠されるのではなく,白日に晒されるようになった。

無罪事件の増加が,確実に刑事裁判が機能し始めたことを物語っている。

しかし,民事裁判は以前のままだ。今の民事裁判は,その判決も判例時報など公刊物に掲載される一部のものを除いて公にはなっていない。ましてや証拠など当事者以外には知る由もない。

その結果,「始めに結論ありき」の判決が横行し,事実認定も「弁論の全趣旨によれば」などという,理由にもならない理由で,極めて非論理的かつ非合理的な判決が「書き下ろされる」。
その「始めの結論」とは,大抵は大企業寄り,大組織寄りの強者が好き放題を行った結果を保守的に容認するものばかりだ。

日本ではあまり唱えるものもいないが,民事裁判にも是非陪審制(裁判員制でもいい)の導入が必要だ。人間は,他者の目や批判がないとき,傲慢に,そして恣意的になる。このことは普遍的な真理であろう。裁判官とて聖人君子や神ではない以上例外ではない。

改めて言う。民事裁判にも検証は必要だ。その手段は,陪審制の導入でなければ,裁判の徹底した公開(証拠を含めた全公開制度,もしくは米国のようにTV中継もいいだろう)しかないだろう。

子宮頸がんワクチン・日本の医療の問題点

2015/04/03

報道によれば,厚労省が「子宮頸がんワクチン」に関する新研究班を設置したという(http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2457980.html)。

ずっと心配していた事柄だが,ようやく前向きな方向に動き出したようだ。高校生などの未来ある若者が,大変な副作用に苦しみ続けているのがこの問題だ。
ご存じの方も多いとは思うが,上記のTBSのWEBが的確なまとめをしているので,長文だが引用する。

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子宮頸がんワクチン“副反応” 「記憶障害」解明へ


子宮頸がん予防ワクチンの副反応をめぐる問題で新たな動きです。ワクチンの接種後に物覚えが悪くなる、計算ができなくなるといった「記憶障害」などの症状について、厚生労働省が新たに研究班を設置し、実態の解明に乗り出すことがわかりました。

 国による積極的な接種の推奨が一時的に中止されてから、1年10か月が経とうとしている子宮頸がん予防ワクチン。これまでにおよそ340万人が接種し、痛みや歩行障害など2475例の副反応が報告されました。厚生労働省は現在、そのすべての報告について追跡調査を行っています。

 30日朝、自宅のソファーで重そうに体を持ち上げる、ゆきさん(18)。子宮頸がんワクチンの副反応を訴える少女の1人です。去年、「NEWS23」では、記憶力が低下するなど記憶の障害を訴える様子を放送しました。彼女の脳を調べたところ、血流が悪いなどの異常を表す検査結果が出ていました。当時、厚生労働省には、ゆきさんの症状とワクチンの接種との因果関係を調べる研究班はありませんでした。

 それからおよそ7か月、厚生労働省が、ゆきさんのような記憶の障害などの症状とワクチンの接種との因果関係などを調べる新たな研究班を立ち上げることがわかりました。

 「厚労省から神経障害、特に脳症状を含めて、子宮頸がんワクチンの副反応としての脳神経症状について、因果関係を含めて専門的な立場からきちんと検索してほしいという要請」(信州大学 池田修一医学部長)

 研究班のリーダーを務めることになった信州大学、池田修一医学部長。これまでも厚生労働省の研究班で副反応の調査をしてきた医師です。

 「この子宮頸がんワクチンの神経症状は二層性が疑われていて、最初は手足の痛みやしびれという症状が出て、その後、遅れてこの脳症状が出てきているのかもしれないと疑われている。そういう意味で我々もそこに正面から取り組みたい」(信州大学 池田修一医学部長)

 新たな研究では、脳神経の専門医を全国8つの大学から集めて、記憶障害の症状と接種の因果関係などについて、まずは1年かけて調べる予定だといいます。

 「脳の機能的に障害が起こっている状態ではないかと考えているので、こういう病態をより早期に見いだして、適切な治療をしてあげれば、そうした脳の機能障害はまだ回復し得る状態にあるんじゃないか」(信州大学 池田修一医学部長)

 患者の救済にあたっている弁護士は・・・

 「厚労省は被害と向き合って研究する根本的な姿勢が欠けてた。これを機にそういう姿勢を改めて、被害をそのまま受け止めて、調査し、研究するやり方に変えてほしい」(水口真寿美弁護士)

 記憶の障害を訴える、ゆきさん。これまで、「暗記ができなくなった」「勉強についていけない」などと訴えても、多くの医師から“気のせい”だと言われてきました。

 「目に見えない部分も今度は見てくれるのかなと、すごく期待している。自分がいけなかったんじゃないかと自分を責める気持ちも少し軽くなるかな」(ゆきさん)

 接種から4年が経とうとしていますが、症状は一進一退。最近は体がだるく、午前中は起き上がれないことも多いといいます。同級生はこの春、高校を卒業しました。ゆきさんは高校1年で時が止まったままです。

 「大学生活に向けて、その子たちは進んでいるのに、まだ高校にとどまって、何年かかるかも分からない卒業に、ずっと見続けている自分が遅れているなと」(ゆきさん)

 厚生労働省は、新たな研究班でさまざまな症状を検証していくことで、患者の治療法を確立していきたいとしています。(30日23:02)
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ただし,ここまでの厚労省や一部の医師の取り組みはひどいものであった。少し長くなるが,以下は毎日新聞の記事の引用だ。

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子宮頸がんとワクチンを考える:〜「中止」から1年/上 副反応の議論、結論出ず

毎日新聞 2014年07月02日 東京朝刊


 子宮頸(けい)がんワクチン接種後に原因不明の痛みを訴える女性が相次ぎ、国が接種の積極的な呼びかけを中止してから6月で1年が経過した。この間、国はワクチンの安全性についての検討を続けてきたが、原因解明の結論には至らず、接種呼びかけも中断したままだ。一方、副反応の被害を訴える親たちからは、さらなる原因究明と治療体制の整備を求める声が上がる。ワクチンを巡る混乱は、いまだ先が見えない。

 子宮頸がんワクチンは2013年4月に定期接種となり、小学6年〜高校1年の女子は原則無料で受けられる。しかし、接種後に原因不明の体の痛みを訴える43件の事例が注目され、国は昨年6月、「副反応について適切な情報提供ができる段階にない」と、接種の呼びかけを一時中止する異例の対応をとった。

 中止の間、ワクチンの安全性を検討する厚生労働省の有識者検討会は、痛みの原因分析や治療法について議論を重ねてきた。症例を検証し、海外の副反応調査や、国内外の研究者の意見も聴取。ワクチンの成分による神経疾患や、中毒、免疫反応の可能性も検討したが、いずれも考えにくいと結論付けた。

 その上で、発生時期が患者によって異なる点や、リハビリなどで症状が改善する例があることなどから、今年1月に検討会が出した見解は「長引く痛みはワクチンの成分が原因でなく、接種時の痛みや不安がきっかけとなり、表れた心身の反応」だった。

 しかし、一方で、検討会は「より科学的な議論を慎重に行い、結論を出していく必要がある」として、接種の呼び掛けは中止したまま。3月以降、現在まで検討会自体が開かれておらず、その後の議論は停滞した状態にある。

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以前のブログ「患者の心」でも少し触れたが,大多数の医師は,「現在の検査機器」あるいは「その時点での医学的知見」もしくは「その医師の医学的知見」で説明がつかないものは,患者に現れている症状がどんなに明瞭でも「心因反応」で片付けてしまう傾向にある(これを「ゴミ箱的診断」という)。

ごく一部の医師のみが,患者の症状に真正面から向き合い,説明がつかない症状に説明をつけるため,徹底的に取り組んでいく。上記TBSの記事で紹介されている信州大学の池田修一医学部長もその一人だ。

もちろん,全ての医師がそうしたことができる環境にあるものではないが,せめて,安易に「心因反応」とのレッテルを貼るのは自重してもらいたい。

後藤さんとイスラム国

2015/02/05

後藤さんが亡くなられた。まずはこのことに心から哀悼の意を表する。
この件については、様々な思いがある。
あまりに多いので、敢えて箇条書きで記す。

1 後藤さんのジャーナリストとしての行動は、我々にとって、極めて重要なことであったと思う。世界で何が起きているのか、勇気をもって報じる方がいなければ、我々は知ることができない。支援が必要な方々を支援することも、不正義や不条理をただすこともできない。
危険を承知で第一線に飛び込んでいくジャーナリストを、全力で支えなければ、我々の自由も脅かされることになる。自己責任、という言葉を使うような場面ではない。

2 自民党の高村副総裁の発言は、はっきりとおかしい。人質解放のため全力を尽くすべきときに、「身代金は支払うべきでない」などと発言することは、責任与党の幹部が言うべき言葉ではない。後藤さんの死亡が確認された後も「蛮勇」という言葉で実質的に非難を加えていた。この政治家が三木派→河本派という自民党屈指のリベラル派閥の後継者かと思うと情けない。

3 イスラム国のあり方は,その残虐性と他者の自由の極度の抑圧から,全否定されるべき存在というしかない。人の自由を恐怖で奪う、というやり方は、カンボジアのクメール・ルージュ(ポルポト派)、文化大革命時の中国を思い起こさせる。しかし、このイスラム国を生んだのは、アメリカを中心とした西洋諸国が、半ば言い掛かり(大量破壊兵器所有という嘘)でイラクに対し戦争を仕掛け、フセイン政権を崩壊させたから、ということを忘れてはならない。フセイン政権の中核にいた軍人や官僚がイスラム国の中枢となっている、と言われている。また、その背景には、1000年に及ぶイスラム対キリスト教の対立がある。
 

4 イスラム国とシリア、イラクの争いの背景には、宗派的・部族的対立だけでなく、石油という資源(金のなる木)をめぐる領地争い、が存在している。

5 歴史は繰り返す。イスラム国の残忍さと大量殺戮は,歴史上初めてのことでは勿論ない。近くは先に挙げたカンボジア,中国があるが,今は声を大にしてイスラム国を非難している欧米諸国が自ら行っていたことである。ちょっと前にはナチス・ドイツ,さらに前には欧州諸国による中南米の侵略支配に伴う先住民の虐殺があった。アメリカも,アメリカ先住民に対する侵略支配と虐殺という歴史がある。
 勿論,虐殺を肯定するものでもイスラム国を擁護するものでもない。人類の歴史は,残念ながら他者の抑圧・支配・虐殺というところから抜け出せていないことを理解しなければならない,ということだ;

6 3・4の事実を踏まえたとき、日本が敢えてこの対立に加担すべきかは慎重に考えるべき事柄である。安倍総理は、極めて安易にこの根深い問題に日本を組み込んでしまったのではないか。イスラエルでこの問題に触れる記者会見をしたところに、その安易さがよく顕れている。仮に加担するのであれば、虐げられている人々を救うために、自国民を危険にさらすことも踏まえたうえで、それでもなお、弱者を救済するために相当の覚悟をもってアメリカ等を支援していくのだ、と決意表明を、まず日本国内において行うべきだったのではないか。

脳震盪を起こしたスポーツ選手の健康管理:羽生選手の中国GP

2014/11/10

国民的アイドル感が出てきた羽生選手が、グランプリシリーズの中国GP(2014/11/8)で、6分間練習中に中国選手と激突し、頭部や顔面を負傷しながら出場を強行し、5度の転倒があったものの滑りきり、話題を呼んだ。

羽生選手が,選手としてファイティングスピリットを見せたことは、確かに感動を呼ぶものであったし、さすが、オリンピックのゴールド・メダリスト、不屈の闘志の持ち主であることを示したものと言える。

問題は、周囲だ。
選手は、試合ともなればアドレナリンが目一杯分泌され、強い闘志の持ち主であればあるほど、自分からアウトとは言わない(日本が初めてFIFA・W杯に出場したときの骨折した中山選手を思い出せる方はもうオジサン・オバサン?)。だから,適切な判断は,監督・コーチがすべきことになる。この場合は,ブライアン・オーサーであろう。

コンタクト・スポーツとはいえないフィギア・スケートなので、ドクターも同行しておらず、アメリカチームのドクターが応急措置をしてくれたとのことであり、ドクターのアドバイスもなかったようだが、最近のスポーツ医学の進展に即して考えれば、誤った判断としか言うしかない。

録画映像を見たが、脳震盪を起こしていた様子がうかがわれ、体もふらついていたし、目の表情も普通とは違った様子がありありだった。創傷だけでなく,「脳震盪」を起こしていた可能性が高い。

私はこのところ、交通事故で、むち打ちだと軽く扱われていた方に、短期記憶障害、めまり、羞明、膀胱障害、抑うつなど多彩な後遺障害が発生する、「MTBI(軽度脳外傷)による高次脳機能障害」に取り組んでいるが、この原因となるのが「脳震盪」なのである。

アメリカではここ数年、この「脳震盪」によって重篤な後遺障害が残ることがスポーツ選手の脳の解剖で証明されて大きな問題となっており、アメリカンフットボールではNFLに対する集団訴訟が起こされており、700億円もの損害賠償が支払われる和解が進行中だ。
この疾患名は「慢性外傷性脳症(CTE:chronic traumatic encephalopathy)」と呼ばれており、いわゆるサッカーママが、FIFA相手にヘディングを制限するよう訴訟を提起したというニュースも流れている。

CDC(エボラなどの感染症対策で有名なアメリカ疾病予防管理センター)のホームページなどでも大きく取り上げられており、脳震盪を起こした場合、直ちにスポーツを中止し、絶対安静とするのが、最近の常識的対策とされている。
日本は、このCTEに関する知見の普及がとても遅れており、それが今回の羽生選手の強行出場に繋がってしまったのであろう。

今回、私が特に心配するのは、強行した結果、転倒に伴い、脳への衝撃が複数回加えられてしまっていることだ。セカンド・インパクトという言葉もあり、2回目の衝撃がより重大な結果をもたらすことも知られている。

滅多にある事故ではないが、今後もありうることなので、スケート連盟は、今回の事故とその後の対応について真剣な検証を行い、選手の健康管理に万全を来せるシステムを構築すべきであろう。
また、CTEに関する知見がすべてのスポーツに普及し、「スポーツよりも健康が優先する」という大原則の下、選手たちの安全管理が徹底されることを切に望む。

日銀追加緩和,黒田バズーカ第2弾と日本の暗い未来

2014/11/05

日銀が追加緩和を発表し、株は700円を超える大幅高、円はこれを書いている現在(2014/10/31 22:59)112円丁度まで円安となった。

報道は、これほどのニュースを報道ステーション以外はあっさりと、そして負の側面はスルーした印象だ。

一言でいえば、この追加緩和は危険だ。何より、国債買い入れをより長期にシフトしたことが心配だ。GPIFの国債運用比率大幅引き下げとセットで、財政ファイナンス(国債を国が引き受けて財政を維持する、「輪転機」に頼った国家財政)により大きく踏み込んだ印象だ。

また、日経平均がいくら上がっても、日本国民の投資に関する意識から、個人がほとんど株式投資していない現実を踏まえれば、円安は実質消費を減らす要因にしかならない。75円だったときに比べれば、円の価値はすでに3分の1が失われ、「悪い物価高」が目に見えて拡がるのも間近だ(為替予約(ヘッジ)のために、円安の影響は未だすべて表れてはいない)。

その上に、仮に消費税が10%となれば、直接的に5%が庶民の財布から強奪されることになる。

一方、日銀の出口戦略は未だ示されていない。日銀が金融緩和を止めたくても、今の日本国債を買い越そうとするものはいるだろうか。将来的な円安傾向や、破滅的な財政収支を見るとき、メガバンクを始めとする大手金融機関は、それこそ尻を上げて逃げ出すように国債離れを起こしている。

太平洋戦争を始めてしまった日本を思い起こそう。政府や官僚トップが英知に基づく国家運営を行っている、というのは幻想に過ぎないのだ。

円安と財政ファイナンス

2014/10/06

平成26年9月、急激に円安が進行し,1ドル109円前後で推移している。今年に入ってから101円~102円くらいに張り付いていたのが嘘のような、いきなりの出来事であった。

これについて、黒田日銀総裁は、「円安歓迎」であることを再三表明している。
また、経済評論家筋は、米国のQE3の終了→利上げを見通し、日米金利差の拡大が見通されてきたのがその原因だ、としている。

本当だろうか。

もちろん、基底というか基盤にそのような流れ、見通しがあることは間違いない。しかし、その流れにあることは、すでに昨年夏から明らかになっていたことだ。いわゆるバーナンキショックの時からだ。そのときに比べて大きく「金利」見通し環境が変わったわけではない。

したがって、金利見通し以外の作用が働いている可能性が高い。

その一つは、消費増税判断を睨んで、株価底上げを狙った「公的資金」(年金基金その他)の大量動員だ。これについては、私が最近、大変参考にさせていただいている「マネーの正体」著者の吉田繁治氏が推論されている。
周知のとおり、黒田日銀総裁は、もと大蔵(財務)省の財務官、財務省といえば、消費増税を悲願としている硬直的な組織だ。株価に対するPKOよろしく、株価底上げのために大幅な円安を図っている、という観測だ。

もう一つ、今はまだ「暗い底流」に過ぎないであろういが、一気の円安に海外投資家が抵抗感なく乗った理由、それは「日本財政に対する信認」が失われているからであろう。

日本のほとんどの評論家やマスコミが直接的言及を避けているが、日銀の行っている「異次元緩和」とは、単なる財政ファイナンス(国債を直接、中央銀行が引き受けること。簡単に言えば、お札を増刷して、国の借金を賄っていること)に過ぎない。
吉田氏が、その著書(前記のほかに「マネーと経済これからの5年間」)などで詳しく解説されているところだが、日銀は国債の買い入れにあたって、間に銀行など民間金融機関を入れてはいるが、銀行などは右から左で、買った国債を日銀に売って、サヤを稼いでいるだけだ。簡単に言えば、メーカーから直接「国債」という品を仕入れるのではなく、問屋を入れて仕入れているに過ぎない。さらに、銀行などは、白川日銀時代には20兆円の買い越しであったのが、黒田日銀になると30兆円の売り越しに転じている。差引50兆円だ。このため、日銀は、国債の新規発行額43兆円を上回る70兆円もの国債を毎年買い入れているのだ。

つまり、国の収入の大部分を、「印刷機を廻してお札を刷る」という方法で賄うしかなくなっているのが、今の日本の現状なのだ。
では、なぜインフレとならないか。
普通、このような無茶苦茶な「財政ファイナンス」を行えば、通貨の価値が下がる。江戸幕府も度々財政難の悪化から金の含有量を減らした粗悪な貨幣を発行し、インフレを招き、やがては幕府の崩壊に繋がったようだ。第一次大戦後のドイツのハイパーインフレまた然り。
ところが、現在の日銀の「財政ファイナンス」にも関わらず、インフレの兆候はない。それには、実に巧妙な仕掛けがあったのだ。それは、日銀が、当座預金に利子を付しているからだ。当座預金に利子など付かないのが普通だし、日銀もずっとそうだった。ところが、2008年10月からの臨時の措置のはずの「法定準備預金額を超える部分に対する年利0.1%の利息」が継続しているために、日銀が買い入れた国債の代金が日銀に積まれたままになっている(銀行は、預けたままにしておけば、リスクもコストもかからず、預金者への利払いとの差額を労せずして利益としうる)ので市中に出回らず、インフレともならない、巧妙なカラクリとなっているようだ。
 しかし、こんなことがいつまでも続くはずはない。

日本国民の大部分は、こんなことになっていることを知らされてもいないので、特に心配もしていないのだろうが、海外投資家はそう甘くはないだろう。
「異次元緩和」あるいは「アベノミクス」で、本当に景気が回復するのであれば、日本経済あるいは日本財政の好転もあったのかもしれないが、不用意な消費税増税によって、むしろ「セカンド・インパクト」第二の消費増税不況に日本が陥っていることが明らかになりつつある。海外からみれば、日本破財政綻がまた一歩近づいた、と映っているだろう。

そのような背景で、もしかしたら当局が「アンダー・コントロール」で行ったつもりの「円安仕掛け」が「アウト・オブ・コントロール」の日本売り」に繋がっていかないのか。

安倍政権の危うさ、それは日本を本当に破壊しかねない危うさを多面的に抱えている危うさだ。

大企業・大組織が真剣に反省しない理由

2014/09/29

御嶽山が噴火し,大変な人的被害が出た,という大ニュースがあったため,すっかり影に隠れてしまったが,一昨日,(2014年9月27日),カネボウが白斑被害者を「地雷原」と呼んで侮辱していたというニュースが,NHK初め各社で流れた。

時事通信社のスクープである。昨日,静岡地裁で,白斑被害訴訟が開かれ,その折り,その件に関する取材を受けたが,信じられない,というよりも,「やはりな」という感が強かった。

その理由は,カネボウに限らず,超一流の企業や組織(各種団体,病院等々)並びにその代理人たちが,被害者たちをなめきっている様子がいつも,どんな事件でも窺えるからだ。
その背景には「何かあったとしても,最低限の金を払えば,それで終わり,訴訟リスクなど大したことは無く,自分たちの組織の存亡に関わることはない」という甘い見通しが存在する。

さて,これが米国であったらどうか。周知のとおり米国には懲罰的損害賠償というシステムがあり,時に企業に巨額の賠償金が課せられる。武田薬品が6000億円もの賠償を命じられたのもつい最近だ。それ以外にもタバコ訴訟では10数兆円,懲罰的損害賠償とは少し異なるが,リーマンショック時のサブプライムローン関連で,バンクオブアメリカやモルガンチェースがやはり数千億円~1兆円を超える罰金を米司法当局に支払っている。

今回のスクープによる「企業イメージ」のダメージははかり知れないだろうが,それ以前に,懲罰的損害賠償システムが存在すれば,より直接的・目に見えるダメージが企業に与えられ,しかもそれが企業の存亡にかかわるような巨額となれば,今回のような対応を行う企業は遙かに少なくなるであろう。

訴訟に対して否定的な日本人は少なくないが,自分が当事者となったとき,その権利があまりに守られていないことを知るに至り,愕然とする方が多い。
しかし,日弁連などもこの問題に正面から取り組んでいる様子は無い。

今の社会情勢・政治情勢からすれば,消費者側にたって「懲罰的損害賠償」的システムが法制化されることは望み薄だが,「強い者が弱い者を蹴散らす」ような今の社会・司法制度が改善されなければならないだろう。

一人一人が真剣に,この問題を自分のこととして考えていただきたい。

終戦の日に思う・元特攻隊員の不安

2014/08/15

最近の,本当にちまちまとしてしまっている社会の中で,
スナフキンのような自由さを,頭から否定する考えに凝り固まってしまっている世代が多数になっている中で,
必要も無いのに過去の歴史を美化しようとする動きが激しい。
事実を認めること=自虐,として非難の嵐を浴びせている。

そんな中,昨日(2013/8/14)のNEWS23で,高齢の元日本兵が,自分の所属していた隊の日本兵たちが,中国で,裸の女性を連れ回してレイプし,その赤子を崖から投げ落としたり,銃の試し打ちのために何人もの人を撃ち殺したりしていたが,そのときは異常な振る舞いと思わなかった,ということを淡々と語っていた。

戦争に参加するということは,そういうことだ。別に日本に限らないが,そこでは,圧倒的な暴力を背景に,常軌を逸した行動が繰り広げられる。
その対象となってしまった人が10万人なのか,1万人なのか,1人なのかが問題なのではない。

褒められることでは絶対にないのだ。

だから,過去の過ち=自虐,などといって正当化の論説を繰り広げることは本質的に無意味だ。戦争に参加したこと自体,絶対悪を生んでいるにほかならないからだ。

その意味で,今日配信されたニュース(http://topics.jp.msn.com/world/general/article.aspx?articleid=5453694)に綴られた,元特攻隊員の方の心情に,心から賛同した。

ここで紹介されている方たちは,終戦によって九死に一生を得た方たちだが,最近の安倍政権のあり方に不安を抱くとともに,特攻隊を美化する風潮(たとえば「永遠の0」)に疑問を投げかけている。

「特攻隊」の存在自体,美化の対象となっては絶対にいけない,日本人の,日本人自身に対する絶対悪だったからだ。
私自身や,私の子どもたちが特攻隊として,国家に死を強いられる,などということは絶対に許せない。いつか,その実現を阻止するために,本当に戦い(政治的な)を始めなければならないときがこないことを切に望んでいる。

ブラジルの大敗 そして,アルゼンチン対オランダ

2014/07/09

今日(2014年7月9日),ブラジルがドイツに歴史的な大敗(1-7)を喫した。

今回のW杯は,1次リーグからかなりの試合を見てきた(フランスのいたグループを除く)から各チームの戦力はだいぶ把握できでいたので,ネイマールとチアゴシウバなきあとのブラジルの敗戦は予想していた。

その理由は,ブラジルにチームの持ち味というか魅力が欠けていたからであり,逆にいうとドイツにはそれがふんだんにあったからだ。

開幕戦,ブラジルは良い滑り出しをしたが,その後の試合で,チームとしての進展はみられなかった。攻撃は単調で連携がなく,ブラジルらしいファンタスティックな雰囲気は,ネイマールだけが醸し出していた。逆を言えば,ネイマールがいなければ,攻撃については極めて凡庸なチームであり,超一流の相手を崩せる資質が感じられなかった。
守備は堅かったが,キャプテンシーに溢れたチアゴシウバの統率によるもので,危ない場面も必ず彼が一歩前で処理していた。

一方,ドイツは,開幕戦からドイツらしいまさに組織だった試合運びを見せており,しかも決して華麗とはいえないがドリブルなどの基礎技術も決して南米チームに劣らないものがあった。その上,試合ごとにミュラー,クローゼ,ネビル,シュバインシュタイガー,そしてGKノイアーが輝きを増し,チームと個々が連携して動いていった。その様はまるでドイツ機動部隊が荒野を駆け巡るがごときであった。

ネイマールが倒れた直後,Facebookでアルゼンチン対ドイツの決勝に気持ちを切り替えたと書いたが,ここまでブラジルが崩れることまでは予想できなかった(3-0,3-1,2-1くらいと思っていた)。開催国のプレッシャーが過大であったことは,PK戦で批判を浴びた落涙でも明らかだったが,ネイマールだけでなく,チアゴシウバもいなくなり,精神的支柱がなくなったチームがまさに瓦解してしまった。かわいそう,という言葉をかけるのは,世界のトッププレーヤーに対して誠に失礼であることは承知の上で,そう思わざるを得なかった。

さて,アルゼンチン対オランダだ。チーム力ではオランダ優位であることは間違いない。攻撃陣もロッベン,ファンペルシー,スナイデルと揃っているし,名将ファンハールの存在も大きい。特にロッベンは,今大会において,メッシと並んで他の追随を許さない選手であることを示し続けている。そのスピードはまさに別格だ。

しかし,である。アルゼンチンは攻撃こそメッシ頼み(ベスト16で芽生えかけたディマリアとの連携も,彼の欠場で潰えた)だが,守備は意外と鉄壁だ。オランダ戦では5バックをとることも予想されているが,私も大賛成だ。ロッベンにスピードを生かすスペースを与えなければ,ファンペルシーが意外と調子を出していないことから,守り切れるのではないだろうか。そして,いつものように,メッシ必殺のドリブルからのここ一発が出れば,決勝への道が開けるとともに,メッシは伝説への階段をついに登り切ることに王手をかけることになるだろう。

 明日も早起きだ!!

2014 ブラジルW杯

2014/06/25

ブラジルW杯,日本の一次予選敗退が決まった。

開幕前,勝てそうなのはギリシャだけで,コロンビアには到底かなわないだろうと予想していたが,そのとおりとなった。
ギリシャに勝てそうだと思ったのは,最近の日本は以前と異なり,大柄で守備的なチーム
に比較的強い(オーストラリアに負けないことや,イタリア戦の善戦など)のに比べ,南米的な個人技のあるチームには弱い(コパ・アメリカでのブラジル戦)ことがわかっていたからだ。

ただ,ブログに書こうと思ったのは,別に自分の予想が当たったことをひけらかしたかったからではない。マスコミの論調や特にTVの特番の作り込み方がとても気になったからだ。
「絶対に負けられない理由がある」ということをテーマに据え,選手ごとサッカー自体とあまり関係ないヒューマンストーリーでのドラマを仕立て,それをメインに放送する,そのやり方に強い違和感を覚えた。

サッカーはサッカー,スポーツだ。日本代表に力があると信じ,サッカーを楽しむのであれば,まず日本サッカーの技術面,戦術面並びに他国のサッカー・スタイルの分析と対策がメインとされるべき話題ではないか。
そういったいわば技術的・合理的な分析はまったく取り上げず,サッカー以外での「負けられない理由」があるから「絶対に負けない」,まるで第二次大戦前に「神国日本」だから「絶対に負けない」と信じ込んだ姿が亡霊のように浮かび上がってくる。メンタル絶対,の基本姿勢になんら変わりがないのだ。

「絶対に負けられない」をメインテーマにするのであれば,今の日本の実力からすれば,イランが守りを固め,カウンターでアルゼンチンを脅かしたような試合を,コートジボワール戦とコロンビア戦で採用し,「自分たちの戦い方」はギリシャ戦で,というのが現実的だった。ロッベンとファンペルシーを擁するオランダでさえも,世界王者スペイン戦では5バックを採用し,鋭いカウンターで大勝利をおさめたのだ。オランダの名将ファンハール監督は,記者会見で,守備的では,という記者の問いかけに,「では私も質問しよう。君が定義する『攻撃的なサッカー』とは何だね? 君は答えられるのか?」と堂々とした受け答えをしていた。

日本の世界ランキングは,(ヨーロッパ優位のランキングシステムとはいえ)グループ最下位,その現実も見据えず,どのチームとも同じような戦い方をして勝ち抜けるほどW杯は甘くない。

さて,日本の話はこのくらい。
W杯は,ジーコ,マラドーナの頃から眠い目をこすってみていたが,やはり楽しみなのは世界のスーパースターの競演だ。

今大会は,スーパースターがクリスチャン・ロナウド以外はみんな好調なところがとても嬉しい。

「スピード・スター!!ロッベン」(スペイン戦で時速37km(100m換算10.28秒!!)

「格好いい点取り屋 ファンペルシー」(スペイン戦のダイビングヘッドの余裕はすごかった)

「ドリブラー ネビル」(前回大会と同じく切れまくり)

「位置取り最高 ミュラー」(まさにフォワード)

はすごかったし、これからもすごいだろう。


そして、なんといっても、2人の超スーパースターだ。

「サッカー大好き!野生児ネイマール」。あの若さ,自国開催でプレッシャーを感じて萎縮している様子が何もなく,プレーを楽しんでいるのがプレー以上の驚きだ。たぶんペレの現役時代はこんな感じだったのであろう(引退試合だけは見た)。

「ついにW杯で輝く猫科の天才メッシ」。前回大会は、明らかにクラブでの大活躍と過密日程で疲れ、またプレッシャーからか動きが鈍かった。しかし、今大会は、クラブで調子悪かったのが幸いし、少しも疲れていないし(ロナウドみても思うが、まさに人生塞翁が馬)、普段は歩いて休んでいて、肝心なときだけトップスピードというそのプレースタイルに円熟というか達観を感じさせる。足運びといい,まるで猫科の捕食動物が獲物を捕らえるときのよう!

願わくば、ブラジル:ドイツ、アルゼンチン:オランダで準決勝が行われ、これらスーパースターのぶつかり合いを見たい。チームカラーに特色があることは言うまでもなく、監督の戦術が見物でもある。
最後は、ネイマールのブラジルとメッシのアルゼンチンの決勝を見ることができれば、南米サッカーをずっと応援してきた私にとって、至極の喜びだ。

しばらく続く熱戦を楽しみたい。

患者の心

2013/09/27

交通事故で一見軽傷と思われる怪我を負った方が長引く場合がある。

「頚椎捻挫」「鞭打ち」「打撲」と安易に診断されたが,症状が軽減されない,神経症状が悪化していく場合がある。

こういう場合,整形外科医の方によっては,「気のせい」として片付けてしまう方も少なからずみられる

しかし,「頚椎捻挫」「鞭打ち」「打撲」にも,重大な疾患が潜んでいる場合がある。

「軽度脳外傷(MTBI)による高次脳機能障害」「中心性脊髄損傷」「CRPS(複合性局所疼痛症候群)」などがその典型例だ。

ところが,こういった医学的知見(知見とは知識のこと)について,ご存じない方が多いのが現実だ。脳神経外科医の方にも同様の問題がみられる。

MTBIなどは,CDC(米疾病予防管理センター)という世界最高峰の医療機関(新型インフルエンザなどのときに活躍するので,聞いたことがある人も多いだろう)がホームページで大々的に取り上げ,対策を講じているのに,日本の脳神経外科医は,存在すら認めない方もいらっしゃる。整形外科医の方では,専門外の知見であることも併せ,ご存じない方も多いようだ。

CRPSにおいても,明らかな症状が出ているのに,診断も治療もされずに放置されている患者があまりに多いと実感する。患者自身がインターネットで調べたり,弁護士の紹介によって,知見・知識を持っておられる医師・医療機関に巡り会い,ようやく診断に至る,という残念な状況が続いている。

中心性脊髄損傷も大学病院クラスでないと診断されない場合も多い。

問題は,これらの疾患が見逃されているだけでなく,患者が「賠償目当て」で治療を遷延させている,との偏見を医師の方から持たれてしまうことがあることだ。



整形外科医の方々に是非ご理解いただきたいのは,弁護士に相談に来るのも「治療を打ち切れと言われているが,まだ症状がひどいのにどうしたらいいでしょうか」と切実に悩んで来られる方が多い現実であり,「お金目当て」で治療を長引かせようとしている患者はほとんどいない,ということである。

勿論,症状固定時期などは医師の方が医学的知見でもって判断されることなので,それに口を挟むつもりはない。私が申し上げたいのは,「お金目当てで治療を長引かせている」という偏見を患者に対して持たないでいただきたい,ただその点である。

この点に関して言えば,リハビリ科の医師の方は,普段から患者に寄り添うことが中心となっているせいか,この手の偏見を持っておられる方はほとんどいないように見受けられる。

もしかしたら,鑑別できていない原因によって患者が困っているのかも知れない,そういう心遣いをもっていただければ,患者はそれだけで満足されることだろう。「患者の心」にも是非ご配慮をいただきたいと思う。

リスク無視!?

2013/09/20
リスク無視!?

最近,国家的事業に関し,リスクを無視しているとしか思えない出来事が相次いでいる。

まずは,オリンピック招致。

日本でオリンピックが開かれることは,スポーツ好きの私にとっては喜ばしいことであるし,経済にも資することは間違いない。そこまでは良い。

問題は,開催地が「東京」であることだ。前回のブログで「NHKスペシャル MEGA QUAKEⅢ」の関東大震災のことを書いたが,あまり遠くない未来に,関東大震災が再びあることも取り沙汰されている。

そのとき,最も被害が甚大であることが予想されているのが,選手村や多くの競技が行われる湾岸地域だ。津波,液状化,地震動に襲われることがほぼ確実視されている。まるで浜岡原発だ。そうなったとき,地震になれていない外国人観光客,外国人選手団が大パニックに襲われることは目に見えている。日本人も含めて膨大な数の死傷者が出るであろう。


東京都や日本政府は,こういったことをシミレーションしているのであろうか。
福島第1の汚染水問題が「完全にコントロールされている」と大嘘をついた安倍首相率いる日本政府が,故意的に頭から外しているのはほぼ確実であろう。

次は,リニア。

これも最近ルートが本決まりになったということでマスコミが大騒ぎしている。

しかし,私はほぼ大深度地下を通っていくというそのルートに大きな危惧を抱いている。
地下を走るリニアの軌道が,地震発生の際の断層の動きで断裂したらどうなるのか。

救助さえもままならないであろう。

不思議なのは,誰もが素朴に抱くこの疑問を,どのマスコミも取り上げてすらいないことだ。


日本政府や巨大企業が,当然考えるべきリスクを「度外視」する傾向にあることは,周知のとおりだ。「みんなで渡れば怖くない」だ。
そして,本当の意味での調査報道・批判報道が苦手なマスコミがこれを助長している。

MEGA QUAKE ~巨大地震~そのとき原発は

2013/09/02

昨日,一昨日とNHKスペシャル MEGA QUAKEⅢ を連夜で視聴した。

圧巻だったのは,関東大震災のフィルムで,あそこまでの壊滅状態であったことを初めて知り,ショックを受けた。同時に,よくあそこまで壊滅状態であった東京が,短時間で復旧したものだ,という感慨も受けた。

そして,見ながら考えたのは,やはり浜岡原子力発電所のことだ。

巨大地震が発生したとき,襲ってくるのは激しい地震動だけではない。
地面には,地割れや段差,液状化が起き,数分後には津波がやってくる。

まさに大混乱だ。

浜岡原発で,原子炉建屋の巨大な水密扉が開いていたとき,平時のように3人がかりでえっちらおっちら閉めることが可能だろうか?浜岡には激しい液状化の歴史がある。地面が平面でなくなることだけ考えてもとても無理だろう。
扉が開いてるところに,巨大津波が越流してきたら?

普通に考えれば「アウト」だ。原発の恐ろしさは,常に冷やし続けなければならないところにある。冷やすのには,水と,配管と動力が必要だ。水没した原発で,どうやって冷やし続けるのであろうか。メガクウェイクが襲ってきたときの大混乱や,現場の様子が目に浮かぶ。

中部電力が,自分のワガママ(原発がなくても電力需要が満たせることは今年の猛暑が証明した。)だけで,原発という危険なケルベロスを飼い続けるのは,許されることではないだろう。

首脳陣には「想像力」を働かせてもらいたい。我々の命や,住む場所,働く場所がかかっているのだ。

そして,自然力だけの震災ではなく,人偽的要素が加わった原発震災が起きれば,長きにあたって復興はない,ということも恐ろしい現実だ。

槌音が響かず,復興無き関東大震災であったら,日本はどうなっていたのか。




ちなみに,NHKスペシャル2日目の昨日は,スロークウェイクについてであったが,相も変わらず,できもしない地震予知にしがみついているんだな,という感じで,あまり良いできではなかった。今度の南海トラフの規模が極めて広範囲に及びそうだ,ということは実感できたが。

経済的合理性  企業利益と原発

2013/08/29

少し前のニュースになるが,米国のサンオノフレ原子力発電所において,蒸気発生器の配管において,放射性物質を含む微量の水が漏れ,運転停止していたところ,運営会社は,「再稼働できるかどうかはっきりしない状態が続くのは、顧客や投資家のほか、長期的な電力需要に対応するためにもよくないと判断」し,廃炉とすることを決定した(日本経済新聞)という。

アメリカの企業らしい,ドライで合理的な判断だ。

翻って,なぜ日本の電力会社-特に発電量に占める原発の割合が少ない中電-が,未だに原発にしがみついているのか,私には理解できない。

一つの原発で大規模事故が起きただけで,電力会社は本来破綻する。東電が存続しているのは,政治家の判断で国が支援しているからに過ぎず,法的に破綻処理をするという選択肢も当然にあった。

日本で最大の電力会社である東電ですらそうなのだから,他の電力会社が財政的に耐えられるはずもない。

電力会社の利益は総括原価方式で,(発電コスト)×3%=利益,というように決められているので,他の発電方式に切り替えても赤字になることはあり得ない。

経営者が,本来恐れるべきは,ユーザーにコストを転嫁できない,原発事故のはずだ。経営者が自社の利益を考えたときに,自社の存続すら脅かす原発事故は最大のリスク要因と考えるであろう。

また,経営者は本来株主利益を最大限尊重すべきであるが,株主にとってみれば,原発事故で会社が破綻すれば株式の価値がゼロとなってしまうのだから,どこにあるのかよくわからない原発を動かす利益(ベネフィット)に比べれば,リスクはあまりにも過大である。

つい先日,中電が東電管内で発電所を建設する,という話が大きなニュースとして報じられていたが,今まででは考えられなかったビジネスチャンスを中電が得たのも,東電が福島第一原発事故でガタガタになり,一方,中電は無傷だったからだ。

なぜ,あえて過大なリスクに挑むのか,利益を優先すべき私企業のあり方から,大きく外れていることは明らかだ。経営陣に,私的な動機があるとしか考えられない。こんなことがまかり通るのも,経営陣の不合理な判断に対するペナルティが甘いからだ。

真実の裏側

2013/06/17

私が定期購読している雑誌に「医療判例解説」という雑誌がある。

医療裁判で判決までいった裁判例について、医師や弁護士が解説を加えたものだ。

最近の潮流を反映するかのように、そこに記載されている判決は原告(患者)敗訴判決が多い。

これだけ読んでいると、まるで医療裁判など滅多に勝たない、医療側は大抵正しい、というような印象を受けてしまう。

果たしてこれは真実か?

当然ながら、これは世の中のたくさんの事実の中のほんの一握りの事実に過ぎない。

それは、何故か。ここまで読んで下さった方が普通に推測すれば、その雑誌が患者側勝訴判決をあえて無視している、と考えられたかも知れない。

そういうこともあるかも知れないが、もっと大事な事実が世の中に「隠蔽」されてしまっている。
私が担当している医療事件において、判決までたどりつくのは極めて稀な事件だ。

大多数の事件は、そこにたどり着くまでに「和解」で解決してしまう。「和解」となってしまえば、判例集に載ることも「「医療判例解説」に載ることも無い。
裁判までなっていればたまに和解が報道されることもあって、新聞報道として世に出ることもあるが、詳細までは第三者にわからないし、他の裁判の参考にされることもない。

裁判においては、前例、すなわち他の裁判例が大変参考にされるのだが、「和解」では、他の裁判の規範にはならない。

もっと問題なのは、非常に深刻な過失がある事件は、裁判前に「金を積んで解決」されてしまうことだ。
この手の事件の場合、医療側は賠償金を払う代わりに「守秘条項」を入れるよう強く要求してくることがほとんどである。

当事務所は、基本的には守秘条項を入れることは拒否しているが、日本人は、事を荒立てるのを嫌う性質があり、依頼者の意向によってはやむを得ず受け入れざるを得ないこともある。

そのような事件は、医療論文として報告されることもなく、したがって、他の医師らが「もって他山の石」とすることもできない。エラーがフィードバックされて再発防止策が練られる、というのが今の世の中の基本だが、現在の医療界ではこの機能が麻痺してしまっているのだ。

この「守秘条項」や「和解事例が世に出ないこと」の問題は、実は、大変大きな問題である。日本の医療の進歩を間違いなく妨げる要因ともなるし、一般の方がその情報で危険な医療機関や危険なシチュエーションを避けることもできない。

医師といえども、自分も患者となりうるわけで、このような事態が続くことは、決して世のためにならないだけでなく、医師自身やその家族をも危険にさらすことにつながっていることに何故気づかないのだろう?

今日という今日は・・・

2013/06/14

今日という今日は、日本にほとほと呆れた(2013/6/13)。



今日は、日経平均が843円も下げ、円も94円台に急騰した。



黒田「異次元緩和」発表前の4月3日前の水準にほぼ戻ってしまったのだ。



ところが、今日のNHK「ニュースウォッチ9」のトップ、なんと「飛ばないボール」問題。



信じられないし、もう「どうにかしてる」レベルの話だ。日本の命運をかけたはずの「アベノミクス」「日銀の異次元緩和」が市場によって全否定されかけている。

あれほど、日本の大復活を喧伝していたマスコミが、その全否定ともいうべき市場の大変動を3番目のニュースで短く報じただけ。プロ野球のボールが実は1割飛ぶようになっていたという、どうでもいいニュースの後の後、なのだ。

こういう頓珍漢、センスのなさが、今の日本を覆っている。覆いつくしている。

日本はそこまで草食か? DJポリス?

2013/06/14

ワールドカップアジア予選で日本が本線進出を決めた日、渋谷のスクランブル交差点を通行規制するという、極めて“余計なお世話“を警視庁が実施した。

若者たちが、Wカップ本戦進出という、極めて困難なチャレンジを日本代表チームが成し遂げた日、多少はめをはずし気味に騒ぐことを、過剰に抑え込む必要がどこにあるのだろう。

管理社会、管理社会、管理社会だ。小学生や幼稚園児がなぐりあいの喧嘩をするだけで大騒ぎの日本社会、世界で伍していくための若者の牙は抜かれっぱなし。

つまらない規制をすることを批判するのがマスコミの役割のはずなのに、権力による過剰な制限に無批判に追従し、その先兵をほめそやす。そして、「警視総監賞」。

大衆操作という意味では大成功な事件ではあるが、それを無批判に追従する。

マスコミのみなさん、あなたがたはなんのために存在しているのですか?

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