医療過誤の解決事例

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医療過誤の解決事例

最近の解決事例の中から、依頼者のご承諾を得て紹介しております。

50代 男性 Aさん総合病院

冠動脈バイパス手術時、残置されたペースメーカーのリード線からの感染:下半身不随の後遺障害が残存

事案

Aさんは糖尿病の持病があり、心臓の血管が詰まりやすく、心筋梗塞を起こすおそれがあることから、当該総合病院(以下、「当該病院」)にて体外式ペースメーカー用リードを装着した冠動脈バイパス手術が行われました。この時、ペースメーカー用リードがAさんの心臓の右心房と右心室に1本ずつ残置されました。
手術から約1か月後、術後合併症として急性縦隔炎を発症し、当該病院にて再手術を受けました。この時、先のバイパス手術で右心室に残されたリードの1本が抜去されましたが、依然として右心房のリード線は残されたままでした。
3か月後、Aさんは背中に痛みが出るようになり、さらに3か月後、夜中に背中の激痛と足が動かなくなったことから救急搬送されました。この時は最寄りの病院で処置ができない状況で、当該病院とは別の総合病院にて胸椎化膿性脊椎炎、硬膜外膿瘍との診断を受けました。
その後、当該病院に転院し、右心房に残されたリードを取り除く手術と脊髄移植手術を行いましたが、下半身不随の後遺障害が残ってしまいました。

問題点

冠動脈バイパス手術において、仮にリード線を体内に残したままにするとしても、通常であれば術後1週間から10日で抜去するべきものを1か月も放置したこと。さらに、合併症手術の時に前述のリード線2本あるうちの1本を抜去しなかったこと。
結果、心臓に取り残されたリード線のワイヤーの先端が椎体そばに当たり、膿瘍が形成され、硬膜外膿瘍により下半身不随の後遺障害が残ってしまうことになりました。

解決・示談交渉による和解

医療調査によって協力医の先生方に本件の問題点を丁寧にヒアリングすることによって、取り残されたリード線と後遺障害との因果関係を明らかにすることができました。これにより、円満に示談で1億円を超える和解金の支払いがされました。Aさんは車椅子での生活を余儀なくされていますが、家をバリアフリーにするためのリフォーム代に充てることもできました。

  

弁護士法人 ライトハウス法律事務所

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