医療過誤の解決事例

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医療過誤の解決事例

最近の解決事例の中から、依頼者のご承諾を得て紹介しております。

60代女性 Jさん総合病院

子宮全摘術後の腎機能の数値悪化と腎臓の腫れを放置され慢性腎不全となった事例

【事案】

 Jさんは卵巣腫瘍の治療のため、子宮全摘術を受けました。術後、それまで正常値だった腎臓関連の数値が退院時まで継続して異常値を示し、徐々に悪化していきました。具体的には正常値だったクレアチニン数値は倍以上に、eGFR値は半分以下の値を示していました。またエコーでも右水腎、水尿管症が認められていましたが、担当医は経過観察とし、Jさんを退院させました。
 退院から2週間後、産婦人科で検査を受け、上記腎臓関連の数値は改善していませんでしたが、経過観察。
 退院から3週間後、内科で検査を受け数値の改善が見られませんでしたが経過観察。
 そこからさらに一か月後の内科再診時も数値は悪化したまま。経過観察。
 手術から3か月以上経ってから右尿管造影と朝刊ステント留置が実施されることとなりましたが右尿管が途絶している可能性があり、最終的に腎瘻造設、膀胱尿管新吻合、経過観察という方針が提示され、Jさんは経皮的腎瘻造設術と膀胱尿管新吻合術を受けることになりました。

【問題点】

 卵巣、子宮関連の手術後に尿管を損傷し、痛みや浮腫、検査数値の悪化などがあっても放置されて、結果、尿管や腎臓に不可逆的後遺障害が残存するする例が後を絶ちません。
 当事務所でも訴訟を含めて複数例の同様事案があり、本件を含めていずれも後遺障害等級に相当する損害賠償を得ることが出来ました。
 産婦人科において、こういった事故情報が共有され、注意さえしていれば容易に防ぐことが出来る同種事案が再び起きることのないことを強く願います。

【解決・示談での和解】

 当事務所では本件に関わらず、医療事故の事件についてはまず医療調査を行います。本件では産婦人科専門医と泌尿器科専門医とに意見を伺いました。丁寧な調査の結果、やはり退院時に腎機能低下、水腎症の所見があったことにつき適切な処置がとられなかったことが原因であるとの結論に達しました。また、後遺障害等級についても、各種検査数値や手術内容を吟味し、後遺障害等級9級に該当するものとして1300万円余の請求をしました。相手方病院は過失を認め、当事務所からの請求額を認め、訴訟を経ることなく示談による和解が成立しました。

  

弁護士法人 ライトハウス法律事務所

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