医療過誤の解決事例

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医療過誤の解決事例

最近の解決事例の中から、依頼者のご承諾を得て紹介しております。

50代 男性 Sさん個人医院

プロポフォール過剰投与による呼吸抑制と不十分な救急救命措置により低酸素脳症となり、遷延性意識障害に陥った事例

【事案】

患者は当該病院で日帰りの痔瘻根治手術を受けました。局所麻酔での手術開始時に、鎮静薬(プロポフォール)が投与され、術中、患者が痛みを訴えたことから、プロポフォールが追加投与されていたところ、患者は突然酸素飽和度が75%まで低下し、呼びかけに反応が無くなりました。マスクを用いた用手換気が行われ、O2投与がされました。用手換気をすると一時数値は改善するも、停止するとすぐに低下し、意識レベルは戻りませんでした。
救急車が呼ばれ、到着して車内に移動される際に、いったん用手換気が中断するという不手際もありました。
手術から1年半以上経過した今も意識は戻っていません。

【問題点】

幾つかの重大な問題がある医療過誤事件でした。
・術中に酸素飽和度が低下した際に、ただちに酸素療法が開始されていなかったこと
・酸素飽和度が低下した原因は、呼吸抑制効果のあるプロポフォールの過剰投与にあるとみられるところ、体重換算での投与量は初期投与量・維持量共にガイドラインにある投与量をはるかに上回るものであったこと
・低酸素血症となった患者に対し、蘇生措置が不十分であり、途中中断もあったこと
・本来局所麻酔の鎮静にプロポフォール使用は認められていないところ、使用するのであれば、緊急時には気道確保のための挿管措置などが行えるよう十分な準備をしておくべきであったのに、そういった備えもなかったこと
などです。
また、賠償額については、将来自宅での在宅介護をご家族が希望されており、それを可能とするための費用を含め、ご家族の気持ちを十分に反映させるものにすることも課題となりました。

【解決・示談での和解】

本件ではまず医療調査を行い、Sさんが低酸素脳症に陥った原因について、十分に吟味をし、相手方医師の過失の所在を明確にした上で、示談交渉に臨みました。
  また、在宅での介護に関する費用を賠償額に反映させること、相手方医師からの真摯な謝罪を得ることなど、思いもよらない重大な被害を被ったことについて、十分な内容の解決が得られるための交渉を行いました。
その結果、医師からご家族への直接謝罪もなされるなどした上で、金銭面についても相当程度当方の請求額が容れられた和解が成立しました。

  

弁護士法人 ライトハウス法律事務所

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